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2008年からインデックスファンドによる資産運用を始めた個人投資家です。またサラリーマンの傍らで家業ともいうべき不動産賃貸業も営んでいます。趣味は自動車にまつわる諸々。ご連絡はwatanko1967@gmail.comまで。

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フィアット124スパイダー登場。その価値がわかるイタリアンよ、とくと堪能あれ

2015/11/27 23:41:50 | 自動車 | コメント:0件

マツダ・ロードスターのようなオープン2シーターはニッチな顧客を対象にしているため、販売台数は、例えばトヨタ・プリウスの20分の1にすら及びません。それであっても開発費用と生産設備の償却費を回収するためには一定の台数をさばく必要があります。それがままならないと改良の手も加えられることなく、例えば現行の日産フェアレディZのように野晒し、放置状態になっていまいます。

そんなところへきて3年前に、発端はわかりませんがマツダが新型ロードスター(以下、ND)のシャシーをフィアットに供給する提携が発表されました。当時の報道ではNDのシャシーの供給をうけて、フィアットは独自のエンジンを搭載し、アルファロメオの新型スパイダーを開発、販売するというものでした。

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(ちなみに、その1)
フィアットはアルファロメオ、ランチア、アバルト、フェラーリ、マセラティとイタリアの自動車ブランドのほとんどを手中におさめ、かつ米国クライスラーを傘下とするイタリアの一大自動車メーカーであります。

しかしその後、NDのシャシーを用いて開発するのはアルファロメオではなく、フィアットになるとの報道がありました。

おそらくは別途開発が進められてきたフィアット乾坤一滴のカーボンモノコック採用の軽量ミッドシップであるアルファロメオ4Cとの棲み分けを考慮してのことでしょう。4Cにはスパイダー(オープン)モデルも用意されます。

日本価格にて8,000千円もする4Cに対して、半値以下のNDの兄弟車の存在は難しい位置にいます。場合によっては安価なことで4Cの潜在顧客を奪うことになりかねません。そこで同じアルファロメオにおける4Cとの競合を回避すべく、フィアットのブランドでの開発とあいなったと推測されます。

さて今回、フィアットがNDのシャシーを用いて開発したモデルは、かつての同社のオープンモデルである124スパイダーをオマージュしたものでした。

フィアット124スパイダーは世界中で売れたフィアットのCセグメントセダンのフィアット124のバリエーションです。フィアット124は1960年代~1970年代のモデルですが、イタリアでの生産終了後も同国外にて幅広く継続生産されました。あのソ連のラーダもフィアット124のバリエーションでありました。

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画像引用元:Autoblog


詳しいプロフィールについてはこちらをどうぞ

そのフィアット124ですがセダンモデルは地味なデザインであり、スパイダーであってもそれはあまり変わらずやはりプレーンなデザインオープンカーでした。ところがその癖のないデザインのせいか結構万人受けした模様です。約20年間で15万台が販売されました。

(ちなみに、その2)
マツダ・ロードスターは初代発売から25年間で90万台を販売しております。ギネス記録であります。オープン2シーターのモデルとしては異例の販売台数です。

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派手なアルファロメオに比べて、フィアット124スパイダーは地味なデザインでした。それであってもフィアット124は長く生産、販売が続けられた結果、イタリアンの心にしっかりと刻まれた結構歴史と伝統あるモデルブランドのようです。

フィアットはNDのシャシーに自社エンジンを積んだ21世紀のモデルに、このレガシーブランドを引っ張り出してきて仕立てたわけです。

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さて前置きがだいぶ長くなりましたが、公開された新型フィアット124スパイダーのデザインをみると、一言でいってモダンでシャープなNDに比べてクラシカルで大人しめなデザインです。

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画像引用元:Idea Web Tool

フロントライトは切れ長なデザインのNDと異なり、丸目ライトを採用してより万人受けする印象です。NDは先代以前のモデルと比べてロングノーズなデザインになっています。一方124スパイダーのフロントライトはNDのような横方向に伸びたライトのデザインではないためか、これがNDよりもさらにロングノーズに見えるようになっています。

バンパー下のディテールがちょっとゴチャゴチャしている感はありますが、このフロントデザイン、昔のスポーツカーを思い起こさせるものでまあまあではないでしょうか。

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画像引用元:Idea Web Tool

しかしフロントデザインに比べて特徴がないのがリアデザインです。フォトをみる限りでは素っ気ない台形のテールランプです。フロントとのデザインのバランスもよくわかりません。

NDはフロントが幅広い(でも鈍重にならないようにシャープな)造形です。それに対してリアはギュギュッと絞ったデザインでありお尻の軽さ、振り回しやすさを強調しています。

一方の124スパイダーですが、フロントはもともとのロングノーズに加えて、細身をより強調するクラシカルなライトデザインであります。それに対してリアのテールランプは幅広感を演出しているでしょうか。

コストの制約はあったとはいえもうちょっとリア全体にとけ込むようなペイズリーあるいはティアドロップ調なデザインにするか、あるいはフロント同様にクラシックに徹して丸目ライトにでもすればもっと統一感が出せたと思うのですが...。

カラーリングですが、クラシカルなフロントデザインを活かしてビビットなボディカラーにフロントウィンドフレームを銀縁にしてシックな色調を演出するのは良いです。

また内装の色使いもフィアット500のようにイタリアンセンスを発揮してほしいですね。

それにつけてももしフィアットが当初の計画どおり、このモデルをアルファロメオで開発したら、クラシックに頼らないもっと気合いの入ったモダンなデザインをまとってデビューしたかもしれません。

(つづく)
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