Author:WATANKO
2008年からインデックスファンドによる資産運用を始めた個人投資家です。またサラリーマンの傍らで家業ともいうべき不動産賃貸業も営んでいます。趣味は自動車にまつわる諸々。ご連絡はwatanko1967@gmail.comまで。
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(続)あなたのコスト、いまいくら?-自分の資産運用のコストを「見える化」してみる@2020
(前回からのつづきです。)
インデックス投信のローコスト化がすすむなか、WATANKOは1~2年おきに自身が負担している資産運用のコストを算出しています。
前回記事で最新の年間コストを算出し、それが2年前から引き下がっていることを確認しました。
しかしここで一つ気がついたことがあります。
それは年間コストの引き下げにはローコスト投信の保有残高のシェアが上昇したことが要因のひとつにあるのですが、その影響を正しく把握するためにはETFを除外した資産残高で比較する必要があるということです。
ETFはもともとコストがとても低いことが特徴であり、ポートフォリオの中でETFが占める割合が変動することによって全体の年間コストに与える影響が少なくありません。
特にWATANKOはVTIのバイ&ホールドを始め、かつ何度か買い増しを行ってきました。
その結果、他のETFとあわせたポートフォリオに占める割合は15年3月時点では25%に対して20年4月では52%まで上昇しています。これですとポートフォリオ全体の年間コストが引き下がるのは当然です。
それではこのETFのシェアUPの影響を除いた場合では、年間コストはどれくらい下がったのか。
■ETFを除いた場合
ETFを除いた場合の年間コストは次のとおりです。
年間コストの推移は0.63%→0.56%→0.53%→0.42%となります。ETFを含む場合にくらべて0.1~0.2ポイント程度高い水準になりましたが、コスト自体はETFを含む場合と同様に年々減少する傾向です。
さらにアセット別にみますと日本株式はETFの残高はごく一部、新興国株式ではETFを保有していませんので除外するとして、先進国株式について資産総額と年額コストの関連について見てみます。
結果として18年3月と20年4月を比較すると資産総額は9百万円近く増加しているにもかかわらず、年額コストは横這いとなっています。これはローコスト投信であるニッセイ外国株式インデックスファンドの占める割合が高まった結果であります。
ETFを除いたケースにおいても資産総額の増加に対して、年額コストは抑えられている傾向が見られました。
それでは最後にETFを除いたポートフォリオ全体ではどうでしょうか。
こちらはさらに鮮明なことに18年3月と20年4月の比較では資産総額が増えている一方、年額コストは明らかに減少しています。先進国株式だけでなく前回の記事でふれたとおり新興国株式でもローコスト投信のシェアが増えたことが効奏しています。
■年間コストの今後引き下げにむけて
WATANKOのポートフォリオにおける年間コストを今後も引き続き引き下げていくためには、信託報酬が最安値のインデックス投信の積み立てを継続して、ポートフォリオにおいけるそのシェアを高めていくことが必要です。
さらにはポートフォリオには以下の「ちょっと昔の信託報酬がやや高いインデックス投信やバランスファンド」が含まれておりますので、これらを現在のローコスト投信に乗り換えていくことでポートフォリオ全体のコストの引き下げを一層すすめていくことができます。
▼SMTグローバル株式インデックスオープン
▼外国株式インデックスe
▼eMAXIS新興国株式インデックス
▼野村インデックスファンド・新興国株式(NISA口座分のみ)
▼セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド
先日はコロナショックの影響で評価損益がトントンまで落ち込んだ野村インデックスファンド・新興国株式(特定口座分)を全額売却し、eMAXIS Slim新興国株式インデックスに乗り換え実行しました。
しかしながら特段の資金需要もなく、乗り換えのためだけに利益がたっぷりのった投信を売却してしまうこと、利益確定に走り税金を前倒しで支払ってしまうことには抵抗があるのもまた事実。また従来からほったらかし投資をつづけてきた身としてはなかなかアクティブな売却行動を頻繁には実行できません。
あとは取り得る手段として残るのはETFのシェアを増やしていくことです。これはコスト面だけみれば効果は大きいものの、一方で積み立て投資の効率性、利便性の観点からはETFはインデックス投信に劣後しているためこれも手放しで勧められるものではありません。
また投資対象によってはインデックス投信の信託報酬が同じ投資対象のETFの経費率に近づいているところもあります。
よってETFをこれからバイ&ホールドする際にはコスト、利便性について同種のインデックス投信と十分に比較する必要があります。
■まとめ
インデックス投信のコストがここまで下がったのは、インデックス投信が商品自体の独自性を打ち出すことが難しく、マーケティングでいえば価格面の勝負にうって出ざるをえない事情があります。
その価格面については以前、三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングにてコストを抑えるために様々な取引形態を駆使してコストカットを積み上げた結果、はじめて信託報酬をさげることができている実態を知り得ることがありました。
関連記事
コスト感覚がひしひしと伝わった三菱UFJ国際投信ブロガーミーティングに参加しました@2019年6月(2019/6/29)
WATANKOもまたサラリーマンの端くれなので言わせてもらえば、ビジネスとはすなわちコストとの戦いであります。そこに徹底的に立ち向かってローコストを極めることができた企業だけが勝ち残れます。だから三菱UFJ国際投信のコスト削減の努力にはシンパシーすら感じてしまいます。
現在、三菱UFJ国際投信以外にもローコスト投信を設定している運用会社は勝ち残る資格があるといえますが、その他の運用会社はどうでしょうか。ここはもうひとつ奮起をお願いしたいところです。
・・・とWATANKOは投資信託の信託報酬の低減について、過去にこの駄ブログで何度も訴えてきました。
しかしこう書いたところで、イマドキの個人投資家からは「eMAXIS Slimシリーズさえあれば十分」との声が聞こえてきそうです。それとETFであればバンガードを選んでおけば間違いなし。これもまあ正解でしょう。
これが今後も通用し続けるファイナルアンサーであれば、個人投資家のポートフォリオはeMAXIS Slimとバンガードのシェアをひたすら増やすことで最善のローコスト化を追求することができるというものです。
そしてこの駄ブログでも「投信の信託報酬低減お願い記事」をUPすることはもう無くなることでしょう。
さて2年後にはいったいどうなっているのやら。
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