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WATANKO

Author:WATANKO
2008年からインデックスファンドによる資産運用を始めた個人投資家です。またサラリーマンの傍らで家業ともいうべき不動産賃貸業も営んでいます。趣味は自動車にまつわる諸々。ご連絡はwatanko1967@gmail.comまで。

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(続)あなたがほしいのはテスラか、それともEVなのか

2020/09/30 23:57:00 | 自動車 | コメント:0件

モデル3その2

(前回からの続きです。)

 

EVのテスラ。株価爆上げのテスラ。とにかく話題のテスラ。

 

前回記事ではEVの将来の普及予想や内燃機関の車との比較を取り上げました。

今回はその続きです。

 

3.テスラのモデルは選ぶに値するか(テスラを車好きの目線としてみる)

 

現在、日本で買えるテスラは3つありますが、このうちLクラスセダンであるモデルS、SUVのモデルXは全長5m、全幅2m級で日本の路上や大抵の駐車スペースでは取り回しに苦労させられます。


残るモデル3は全長4.7m、全幅1.8m級と普通に扱えるサイズの上限であり、これならなんとか普段使いができるか。

 

これらモデルは堂々とした体躯とともにものすごい動力性能を備えています。はっきりいって各モデルのトップブレードの加速力はスーパーカーと同等レベル。それがスーパーカーの半値以下で買えるわけです。こうなると価格に対する動力性能のバリューは欧州高級車群のそれをはるかに凌ぎます。


車好きからみれば動力性能のコストパフォーマンスだけをもってしてテスラを買う十分な理由になるかもしれません。

 

その他にも先進的な自動運転機能(ただし日本では制限あり)を備えていたり、ドライバーとのインターフェースにおいて合理性をとことん追求したりと革新性を大いにアピールしています。

 

動力性能のコストパフォーマンスと革新性に注目するならテスラ。それも買うなら今のうちでしょう。その理由も含めてこれからテスラ購入を検討する際の留意点を3つあげておきます。

 

■EVの特徴は市街地で生きてくる

 

EVが得意とする走行は中低速でストップ&ゴーを繰り返すような状態です。なぜならモーターを長時間動かすことはないことと、すぐにパワーが立ち上がる特性がストップ&ゴーによくマッチするからです。

 

一方、高速走路で常に駆動力をかけ続けるような走行がEVは苦手です。モーターに長時間、高い負荷をかけ続ける場合、バッテリーの消費が大きい、すなわち電力を大きく食うため航続距離が伸びません。高速道路を走行する方が燃費が伸びる内燃機関車とは逆なのです。

 

このようにEVは市街地で乗り回すことが最適なのであり、そのためにはサイズはせいぜいDセグメント(全長4.44.6m)以下、できればCセグメント(全長4.24.3m)が望ましいでしょう。

 

テスラは市場に受け入れられるためにはまず比較的所得が高い潜在購買層にむけて付加価値が大きいモデルをつくる戦略をとりました。航続距離が長く、とてもパワフルなモデルです。

 

EVはバッテリーのコストが嵩むため、高コストを吸収できる高価格帯のモデルをつくる必要がありましたし、工場の生産能力が限られているなか製造固定費の回収と開発費の確保のためには利ザヤの大きいモデルを売りたかったでしょう。

 

しかし大きくてあまりに高性能なモデル(=テスラ)は、一方でEVの特徴を生かし切れてはおりません。

  

EVが適しているのは市街地を走るコンパクトクラスのモデルなのです。長距離を走る大型モデルであるテスラはEVの適性としてはマッチしていません。


テスラもモデル3でようやく市街地に向いたサイズのモデルを出してきましたが、正直言ってまだ少し大きいです。

 

■テスラの品質には覚悟が必要

 

テスラは新興メーカーゆえにモデルの品質には不安な点が残ります。

  

例えば新車時点での品質について以下を参照ください。

 

テスラの品質(納車時の不良)

  

弱り目に祟り目のテスラ。ユーザーが「納車されたモデル3のドア4枚のうち、1枚だけ色が違う」とツイート


それにまだ世の中で10年以上走りぬいたテスラは一台たりともありません。はたして機械的、商品的な劣化はどの程度のペースで進むのか。定期点検費用などランニングコストはどれくらいかかるのか。

 

ところで最近、ソニーが自動運転のモデルを試作して話題になりました。このようにたった1台の自動車であれば色々な企業が製作することは実は可能でしょう。

 

しかしながら「ビジネスとして自動車の製造・販売を行う」ためには膨大な資金と人員と技術が必要です。同じ品質のモデルを何万台、何十万台と製造する。5千枚の図面と3万点の部品からなる工業製品を一台ごとに設計通りの性能を発揮させ、品質のバラツキがあってはなりません。

 

製造にあたっては人の作業動作は秒単位、コストは銭単位で規定、管理されます。そして車を製造する工場自体が膨大な労力と資金によって企画・建設されます。さらに工場だけではなく必要な材料を調達する購買機能と販売する拠点を世界中にもつ必要があります。

 

こうして大変多くの人とモノとカネと時間を費やして、大衆消費者に車を販売するのが自動車ビジネスであり、自動車を造るとはこのような膨大な知恵と労働の集約を指しています。

 

ここに大きな実績と評判と品質を備えるモデルを指して人は「ブランド」と呼ぶのです。

 

■他メーカーの今後商品との比較

 

賢い消費者にとってみれば、安くて燃費もかなり向上し品質面も全く問題ないガソリン車をまだまだ買う価値があります。EVが相当に普及して価格と機能・品質のバランスがあってからようやく購入を検討するくらいでよいでしょう。それは前回記事で取り上げたEVの将来の普及予想からみて2030年でもまだ早いかもしれません。

 

「いや、それでも私は近々EVが欲しい」という方であれば、まもなくVWをはじめとする従来の自動車メーカー巻き返しはそこまできていますので、数年内のうちに各メーカーからEVの新モデルが続々と発売されるでしょう。


それらモデルと見比べても遅くはありません。日系メーカーではトヨタ、ホンダがこれまでHVを推してきた手前、なかなかEVの展開のピッチはあがりません。ここは日産に期待したいところです。

 

こうした結果、数年後には「EVといえばテスラ」という景色が様変わりしているかもしれません。はたしてテスラが現在の人気を数年後のEVの競合においても保つことができるでしょうか。

 

■まとめ

 

EVが内燃機関車にとって代わって普及するためには製品と社会についてそれぞれ克服すべき課題が山積です。しかしそれをいつか乗り越えてEVが世界に広まっていくことを夢見て個人や企業が努力するさまは社会の発展のひとつの原動力になるでしょう。

 

しかしながら夢と現実は異なるように、現実にはテスラを買える予算で買えるEV以外の魅力的なモデルは他にもたくさんありますし、さらにはもう少し待って他のEVが出揃ってから比べてみるのが賢い消費行動です。

 

それでもあえて夢をいま見たいロマンチストであれば、そんなあなたの目の前に映えている車が圧倒的な動力性能と革新性に溢れたテスラなのでしょう。

 

あなたがほしいのはテスラ(夢)か、それともEV(現実)なのか

 

 

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