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Author:WATANKO
2008年からインデックスファンドによる資産運用を始めた個人投資家です。またサラリーマンの傍らで家業ともいうべき不動産賃貸業も営んでいます。趣味は自動車にまつわる諸々。ご連絡はwatanko1967@gmail.comまで。

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eMAXISの受益者還元型信託報酬っていくら還元してくれるのか

2020/10/13 23:26:00 | 投資信託 | コメント:0件

10月12日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

180,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

87,058千円

■損益率

48.4%



 

前回記事の通り、WATANKOeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)(以下、オール・カントリー)は毎月積み立て購入します。

 

そのオール・カントリーが先日ついに純資産500億円を突破したそうです。WATANKOが取り上げるまでもなく、他のいくつもの著名なブログにて紹介されているので既にご存知の方も多いかもしれません。

 

オール・カントリーは今年に入ってから資金流入額の月次平均が30億円を超えていたので500億円突破は当然の推移でしょう。この資金流入の水準が続けば2022年には純資産1,000億円を突破しそうな勢いです。

 

そしてなぜ500億円突破がよく取り上げられているのかというと、eMAXISシリーズは純資産が500億円を超えた商品を対象に信託報酬が引き下げられる“受益者還元型”信託報酬を採用しているからです。

 

具体的には、

 

純資産が500億円を超過する分については信託報酬を0.005

純資産が1,000億円を超過する分については信託報酬を0.010%

 

それぞれ引き下げるというものです。(上記は税抜、以降同じ)

 

この設定にならいオール・カントリーの純資産のうち、500億円を超える分については信託報酬が0.104%から0.1035%へと引き下げられます。

 

これはコストが下がって嬉しい話なので定性的には運用会社の評価につながる話ですが、定量的にみて果たしてどれくらい喜ばしい話なのでしょうか。

 

■4商品の現状

 

さて先ず今回話題となったオール・カントリーについて見てみます。

 

注)純資産額は2020109日時点

  金額単位は百万円

  信託報酬は税抜き


20201013表1


オール・カントリーの場合、純資産がまだ500億円を突破したばかりなので、純資産全体に占める500億円超は20億足らず。その部分に信託報酬0.005%カットが適用されたとしても純資産総額をベースとした信託報酬へのインパクトはまだゼロです。

 

それでは次にeMAXISシリーズで先行して純資産500億円を突破している8資産均等型、先進国株式、米国株式の3商品について見てみます。


20201013表2


8資産均等では純資産総額にしめる500億円超の割合は2割を超えていますが、それでも信託報酬の低減がもたらすインパクトは▲0.0011%と微々たるものです。

 

先進国株式や米国株式など純資産が1,000億円の半ばまで積がってくると信託報酬の低減も▲0.04%~▲0.05%くらいとなりますが、しかしこれでもインパクトは1ベーシスにも届きません。

 

実数値に置き換えて表現しますと、米国株式を1億円保有していても現時点の信託報酬の還元インパクトは年間5,700円に過ぎません、5,700円というと1回の買い物、1回の食事代程度のイメージです。これを金額自体をみてありがたいとみるか、1億円も運用委託しているのにコスト還元がわずか5,700円に過ぎないとみるか。

 

■今後の見通し

 

それではせめて信託報酬の還元が1ベーシスまで及ぶには純資産総額がいくら迄増える必要があるか。

 

信託報酬の還元はどの商品でも一律ですがら元の信託報酬自体がなるべく低い商品の方が、還元のインパクトが大きいです。

 

前述のオール・カントリー、8資産均等、先進国株式、米国株式の中で一番信託報酬が安いのは米国株式です。さらに米国株式はこの4商品の中で、現在純資産がトップなので1ベーシス達成までの道のりが一番近いと言えるでしょう、


そこで米国株式における信託報酬の還元が1ベーシスまで及ぶには純資産総額はいくらかというと次のとおりです。


20201013表3 


なんと計算では純資産150兆円です。

 

海外ETFで純資産トップはiシェアーズ・コア S&P 500 ETF (IVV)22兆円。日本国内株式ならTOPIX 連動型上場投資信託 (1306)13兆円がトップです。これらを一桁上回る純資産に到達してようやく1ベーシスの還元が実現されるわけです。

 

1ベーシスにぎりぎり近い▲0.0099%であれば純資産50兆円で達成できますが、これもIVVのダブルスコア以上ですから途方もない水準です。


またそこまでいかずとも▲0.009%ならばおよそ8,000億円で達成できます。このあたりが現実的にギリギリ期待できる水準といえそうです。それでもかなり多額ですね。

 

これらをまとめてみれば、たとえ受益者還元型信託報酬を喧伝してみたところで、コスト削減のメリットは実態として皆無に等しいということです。

 

翻ってオール・カントリーの現状で見てみますとたとえ1億円を保有していたとしても信託報酬還元のメリットは年間▲19円にしかすぎません。保有が100万円未満であれば1円にもとどかず銭単位となります。

 

■まとめ

 

WATANKOはかつてeMAXISシリーズに受益者還元型信託報酬が採用された際に、そのサービスに対して「少なすぎる、遅すぎる」と指摘したことがあります。

 

関連記事

 

eMAXISシリーズの“受益者還元型”信託報酬制度は、やはり「少なすぎる、遅すぎる」(2016/10/4)

 

採用された当時の感想は、当時コスト低減競争に本格参戦してこないeMAXISシリーズから純資産500億円を突破する商品が出てくるのはだいぶ先になるだろう、そして受益者還元型の低減といってもその水準は微々たるものだと指摘していました。

 

その後、eMAXISシリーズはSlimの追加投入によってコスト競争に本格参戦し、株式相場の長期上昇の後押しもあって純資産が500億円を突破する商品が複数出てきました。これによって「遅すぎる」は覆りました。

 

しかしもう一つの「少なすぎる」という点は、相変わらずであることが今回改めて確認できました。

 

WATANKOとしてはもともと受益者還元型信託報酬をそれほど評価していません。それよりもeMAXISシリーズには信託報酬に加えて、その他コストをどんどんミニマムにして実質コストを引き下げてもらう、トラッキングエラーの最小化を図るといった面での価値向上を継続してほしいところです。

 

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