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WATANKO

Author:WATANKO
2008年からインデックスファンドによる資産運用を始めた個人投資家です。またサラリーマンの傍らで家業ともいうべき不動産賃貸業も営んでいます。趣味は自動車にまつわる諸々。ご連絡はwatanko1967@gmail.comまで。

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年末になってやってきた賃料引き下げ

2020/12/27 20:41:36 | 不動産投資 | コメント:0件

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(はじまりはいつも1本の電話)


WATANKOが保有する不動産物件の中のひとつに大きなショッピングモールの近くの土地があります。現在その土地は大手の総合医療サービス会社のN社に賃貸しています。N社はその土地の上に薬局建屋を所有しており、もっぱら隣接する内科医院からのお客を相手に薬を処方しています。内科医院は夜9時迄営業をするなど大変繁盛しており、薬局もその恩恵を十分にうけていると思われます。


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さて年の瀬も押し迫った先日、N社から年末のご挨拶をかねてご相談したいことありと連絡が入りました。N社からは賃貸契約を締結して以降、全くコンタクトはありません。それがいきなり連絡をよこしてくるとは、この場合、用件は十中八九、賃料引き下げの相談に違いありません。

 

そしてそれは見事ビンゴでした。

 

WATANKO家を訪れたN社からの説明は次のとおりです。

 

「コロナの影響をうけて売上について本年4、5月は落ち込むも、それ以降は回復、現在例年の水準に近付いておりまずまずのところ。しかし長期的にみて政府方針である医療費削減のトレンドは変わらず、薬価他の様々面で厳しい経営環境が予想される。」

 

「そこで最近、N社は経営体質の改善に取り組みはじめた。それまで薬局をとにかくふやそうと拡大路線の一途であったが、これを見直すために全ての薬局拠点に対してデューデリジェンスを行った。その結果、全ての賃貸物件について賃料の引き下げを相談させていただくことになった。」

(実はこのあたりのN社の経緯について詳しく説明をうけましたが、会社が特定される情報が含まれているため割愛します。)

 

「N社としてはお願いできれば坪単価をX,XXX円からY,YYY円にしてほしいというのが一応のお願いであるが、WATANKOさんの土地の賃料については周辺相場と比較して決して高い水準ではなく妥当なレベルと思っている。あとはオーナーさんにすがる思いでお願いさせていただき賃料をいくらかでも引き下げていただければありがたい。」

 

N社からきたシニアマネージャーの物腰は低く誠意が滲み出てくる印象です。この手の交渉の場数を相当ふんでいるのでしょう。

 

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しかしながら、N社の提示してきた坪単価賃料の引き下げ率は3割近くにも及ぶ水準であり、そのまま受け入れることなど到底できるものではありませんでした。

 

そこでWATANKOからの返答は先ず以下の通りです。

 

「たとえ賃貸先の商売が繁盛してもこちらはそれを理由に賃料の値上げを要求したりはしてこなかったし、地価の値上がり(=税負担の上昇)があったとしても同様であろう。また仮に要求しても貴社としては受け入れがたいと想像する。それと全く同じことが今回は私の側からも言える。」

 

「契約条件は個々に異なっており、売上が芳しくないところやそもそも賃料が割高に設定されているところを中心に賃料引き下げを求めに行くならまだしも、一斉の依頼とはおかしい。他の薬局の収益の不振をなぜうちの賃料引き下げによって補填しなければならないのか。」

 

「賃料引き下げとは要するに私からN社への利益補填、付け替えに過ぎない。そうならばせめて私が賃貸している土地で事業をしている薬局の経営状況を開示してほしい。例えば金融機関から借り入れをしようとすれば借り入れる企業の財務状態や返済計画が開示されるだろう。お金を借りて返す場合ですらこのとおりである。それに比べて今回はお金をあげる話であり、金融機関と同等の要求をしてもおかしくないだろう。」

 

この手の交渉ではもし相手に手厳しい意見をぶつける場合には、最初の時点でははっきりぶつけた方が良いです。N社は田舎に住む個人オーナーの人情、情けにすがろうとしたのかもしれませんが、まずはN社同様にこちらもビジネス目線で整然と意見を返しました。

 

WATANKOからの返答に対してN社からはあまり反論が出ず、ひたすらお願いする姿勢を崩しませんでした。たとえリーズナブルな反論内容があっても、それを素直に返してはオーナーの心証を害するだけと悟っていることでしょう。

 

結局のところ当日は以下を確認するにとどまりました。

 

WATANKO「N社の話は理解した。ただし同意はしていない。」

N社「年明け以降、N社からまた連絡するので返事を聞かせてほしい。」

 

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賃貸先の事業会社からの引き下げ要求については過去に経験があるので慣れてはいるものの、やはりこの手の依頼は賃貸側からみれば安直な発想の域を出ない印象がぬぐえません。

 

賃借側は賃料引き下げをお願いするだけで、その裏に先ずどれだけの自己努力をしてきたのか賃貸側からはさっぱりわかりません。事業運営に困っている事情を話すだけで賃料が下がれば儲けものと思っているのではないかとすら感じます。

 

賃貸側は長期間に渡り不動産を賃貸する条件を履行しているのですから、契約期間中は契約条件を守っていただきたいものです。たとえ契約条項の中に●年ごとに賃料見直しを協議することがある旨が書かれていても、それはよほどの事態になった場合の話であり、そう簡単に適用してほしくはありません。

 

・・・と賃料引き下げには到底応じられない頑なな態度をとってみたものの、なにぶん借り手があってこその賃貸契約です。賃貸側の論理100%で二者間の協議が全て片付くとは思えません。

 

ただし今回は賃貸先が大手企業であり、WATANKOの物件の賃料の引き下げが叶わなかったくらいでは経営の屋台骨が揺らぐわけでもありません。WATANKOと同様の物件オーナーの中には賃料引き下げに応じない方も他にもいるかもしれません。

 

N社からは年明けに連絡するので検討の結果を教えてほしいとのことですが、時間をかけると相手にそれだけ期待させてしまうかもしれませんので、正月三が日が明けたらこちらから先手を打って、「今回については賃料引き下げには応じられない」と回答して、N社の出方をみてみるつもりです。

 

「投資に絶対はない」とよく言われますが、まさに今回もそれが当てはまりました。N社はWATANKOの不動産賃貸先の中では最も固いところの一つです。薬局の運営は傍から見て順調な様子であり契約を解除する動機も見当たらず、賃料もずっと安泰と思っていました。

 

しかしながら、さにあらずこの事態を迎えています。これだから不動産投資はおちおちできません。それが抱える収益の下方リスクを思えば手元に残ったお金をおいそれと使うのもためらわれますし、他の投資方法でもっと増やしておき、万が一に備えることも必要かもしれません。

 

SNS界隈では「サラリーマンをやめて不動産投資でセミリタイア!」と元気一杯な個人投資家を何人も見かけますが、WATANKOにいわせれば「サラリーマンで得られる安定収入がバックにないと不動産投資なんて怖くてやっていられない」心境です。

 

その意味からすれば不動産投資でセミリタイアを目指す冒険家にはなれません。


 (あとがきにかえて)


妻ミサト「なによ、意気地がないわね」

 

WATANKO「とんでもございません。貴女を妻に娶った時点で私はかなりの冒険家ですよ。」

 

妻ミサト「!!!」

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