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WATANKO

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2008年からインデックスファンドによる資産運用を始めた個人投資家です。またサラリーマンの傍らで家業ともいうべき不動産賃貸業も営んでいます。趣味は自動車にまつわる諸々。ご連絡はwatanko1967@gmail.comまで。

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【Side A】誰かサブリース契約のメリットを教えてください

2021/02/13 23:57:00 | 不動産投資 | コメント:0件

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(サブリース契約、必要ですか?)


メジャーな不動産投資のひとつにアパートを新築、賃貸する手法があります。しかしオーナーにとって果たして入居率がどれだけ見込めるか、予想外に空室が増えて家賃収入が目減りしないかという点が大きな心配事のひとつでありましょう。

 

そんな新築アパートオーナーの悩みに応えるべくアパート業者が勧めるのがサブリース契約、いわゆるアパート業者による一括借り上げ契約です。50代の息子が70代の母親に対して「30年一括借り上げだって! 母さん、これで老後は安心だね!」と文字数一杯でサブリース契約を宣伝する広告を時折朝刊で見かけますね。

 

「これで入居率の低下リスクを回避できる、あとは銀行からn千万円の融資を引っ張ってきて、建築工事契約を結ぶだけだ。これからは悠々自適なアパートオーナー生活あるのみ。」

 

しかし都合のよい情報だけ頭にいれて、サブリース契約の内容でオーナー側はどのような負担を負うのか、依然としてどのようなリスクを持ち続けるのかといった重要な情報をスルーしてしまう。その結果、サブリース契約によってアパート業者に更にしゃぶりつくされる鴨葱なオーナーとならないように注意が必要です。

 

サブリース契約を提示されたオーナーが確認、考慮すべき点を挙げていきます。

 

■家賃保証であって賃料保証ではない

 

サブリース契約で保証されているのはあくまで家賃保証であって、「一部屋あたり月額XX,000円を30年間ずっと維持して支払います。」というような賃料を保証するものではありません。

 

おそらくは周辺事情や入居率を鑑みて数年おきに賃料の見直し検討が行われ、引き下げられることも十分にありえます。

 

見直し検討の際にはアパート業者の主張する値下げ後の提示額に、オーナーとしてどこまで抵抗できるものか。契約継続のために最終的にはアパート業者の提示額について、オーナーは半ば強制的に従わざるをえないでしょう。

 

もしもオーナーが現行維持を主張して、それがまかり通る契約になっているならば、そんなサブリース契約をアパート業者が結ぶはずがありません。

 

この1点だけをもってしても、サブリース契約はもう検討に値しないことが分かります。

極端に言えば家賃さえ「保証」すれば、それがたとえ現行の10分の1でさえ「保証」したことになるのですから。

 

さらに推し進めて考えてみます。

 

アパート業者は入居者が付きやすいように賃料を引き下げるために、オーナーに支払う賃料もまた引き下げるかもしれません。しかしそこに一定の法的な拘束力はおろか契約の縛りもおそらくはないでしょうから、入居者から得る賃料は据え置きで、オーナーに支払う賃料だけを引き下げることもあるでしょう。

 

そしてそこで浮いたマージンは入居者がいない部屋の賃料をアパート業者がオーナーに支払う際の補填に充てられる、あるいは単純にアパート業者の利ザヤになるかもしれません。

 

■賃料収入減の回避策になっていない

 

アパートのオーナーとしてみれば、サブリース契約によって実際に入居者があろうがなかろうがアパート業者が賃料を払い続けてくれるので賃料収入が減るリスクについて手当てができると思うかもしれません。

 

しかしアパート業者は入居者がいない部屋の賃料を自らが100%持ち出してくれるのでしょうか。

 

サブリース契約には実際には次のような条件でもって別途費用を徴収するシステムになっているケースを見かけます。

 

「契約時点で全室の3カ月分の賃料を契約手数料(名目は様々)として頂戴します。」

 

→入居者がいなくて賃料が入らない時のために、オーナーはアパート業者から予め一定額を徴収されているわけです。あらかじめ徴収された資金をもって、入居者がいないときにアパート業者がオーナーに賃料を支払う原資に充てられる仕組みです。

 

「実際に空室が発生してから3カ月目より賃料を代わりに支払います。」

 

→立地などが良く入居率が高いアパートであっても年度末などのシーズンを迎えれば一定数の退去が発生します。その際にはすぐに次の入居が決まったとしても1~2カ月の空室状態が起こりがちです。そんな割とよくあるケースでもオーナーには都度賃料が入ってこない事態となれば、何のために一括借り上げしてもらうのか、本末転倒です。

 

また空室が長引き、アパート業者自身が賃料を負担している状態が続くと、入居が決まりやすいようにとアパート業者はオーナーに対して個別に賃料を引き下げ要求してくるやもしれません。

 

「登録更新手数料(名目は様々)を別途いただきます。」

 

→ここまで条件を付けてくるともはや何でもありかもしれません。これらもまた上述の契約手数料と同様に、入居者がいなくて賃料が入らない時のために予め徴収されるお金の一部でしょうか。それともアパート業者にとって完全な利益の上乗せでしょうか。

 

「退去、入居に伴い発生する清掃費、修繕費等はご負担いただきます。」

 

→清掃費や修繕費のうち、入居者負担分を超える分については通常の賃貸管理の委託契約でも同様にオーナーが負担する性質なので致し方ない面がありますが、その頻度や程度が一括借り上げ契約の場合、アパート業者の強制力が大きく働くかもしれません。

 

空室が発生した際に、少しでも早く次の入居が決まるようにと、前の入居者の期間が短くともクロスや設備を都度新品にして部屋の内見者に対して訴求します。そしてそのための費用をオーナーに丸々請求してくるのです。

 

以上のように、オーナーからしてみれば賃料収入減のリスクを回避したつもりが、何のことはない別の形でお金を吸い上げられており、または支払い免除となる条件が付帯されていたりするわけです。これではトータルでみるとオーナーにとってはちっともリスク回避にはなっていません。

 

更にはあらかじめ徴収した資金に対して、実際に入居者がつかずオーナーに賃料を支払った分が少なく済めば、差分はそのままアパート業者の利ザヤとなります。

 

オーナーから見れば、目先のキャッシュフローが変わるだけで収益は相変わらず損なわれたままです。むしろアパート業者のマージンを増やすことにもつながるため収支のトータルは悪化する可能性が高いです。

 

■新築時にサブリースが必要なのか

 

さてこのサブリース契約は新築時でないと締結できないケースが多いです。アパート業者によっては契約期間を新築時から10年、あるいは20年と短めに区切っているところもあるでしょう。

 

しかし考えてもみてください。アパートの建物としての競争力は新築時がピークであり、そこから減耗する一途なのです。その最も競争力が高い、すなわち入居率が高い期間になぜわざわざサブリース契約が必要になるでしょうか。ほおっておいても入居者が付く期間にサブリース契約まで貼り付けるのは過度ではないでしょうか。

 

「いやいや、アパートが建てて10年超となってだんだん古くなってきて、入居率が下がってきた頃になれば、サブリース契約が効果を発揮してくるんだよ。」

 

こう唱える人がいるかもしれませんが、そう楽観もできません。

 

古くなり入居者が減ったり、賃料相場が下がれば、上述のとおりアパート業者はオーナーに対して一括借り上げ賃料の引き下げを要求して来るでしょう。つまりはアパートの築古化による収益減はその何割かはオーナーも被ることになるわけです。

 

それであっても貴方は築古となり入居者がつかない部屋の賃料を何割かでも保証してもらえることをひたすらありがたり、サブリース契約に魅力を感じるのでしょうか。そしてそのために前倒しで各種手数料をアパート業者に支払うのでしょうか。

 

(つづく)

 

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